ドイツの新刊から
Spiegel誌のベストセラーリストから、気になる新刊を:
◆"Das Feld" ローベルト・ゼーラーター
das Feldは通常は「野原、畑」ですが、ここでは「墓地」のこと?死者たちが自分の人生を振り返って物語る、という内容みたいです。
『キオスク』が日本でも翻訳されたゼーターラーの新作。『キオスク』は映画にもなったし、これは翻訳期待してます。
◆"Neujahr" ユーリ・ツェー
若くして人生に行き詰まりを覚える青年の目を通して、現代の家族のあり方を問うサスペンス小説。
日本で紹介された『シルフ警視…』が、あんまり私の好みじゃなかったツェー ですが、ドイツではディストピアSF系の作品をバンバン書いて売れっ子作家の仲間入りをしてます。今回はSFとかではないみたい。
◆"Die Hungrigen und die Satten" (ティムール・ヴェルメシュ)
『帰ってきたヒトラー』原作者の新作。今回のテーマは移民問題で、またまた皮肉たっぷりに現代社会を描いている模様。
しかし この↓デザイン、インパクトあるなあ。
最近読んだ本から
仕事に忙殺、もさることながら、ようやく新しいPCに移行してから Windows10の使い方がよくわからーん!とおたおたしておりました。慣れれば快適快適。
はてなダイアリーもなくなるそうだし、ちょっとまたいろいろ仕切り直しが必要ですな…とりあえず:
- 作者: 円城塔
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/07/31
- メディア: 単行本
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- 作者: 篠田節子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/07/26
- メディア: 単行本
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- 作者: ルシンダ・ライリー,高橋恭美子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2018/07/20
- メディア: 文庫
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- 作者: ルシンダ・ライリー,高橋恭美子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2018/07/20
- メディア: 文庫
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- 作者: マヤ・ルンデ,池田真紀子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2018/06/26
- メディア: 単行本
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10月からは仕事に対するスタンスもちょっと変えたいなあ、と、とりあえず一つ手は打ってみました。さてどうなることやら。
最近読んだ本から
また忙しくなりそうなので、その前にざっくりまとめ:
- 作者: チョンミョングァン,斎藤真理子
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2018/05/21
- メディア: 単行本
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この晶文社の「韓国文学のオクリモノ」シリーズは外れなしの良企画でした。韓国の現代文学にはまだまだお宝がありそう!
- 作者: ドミニク・スミス,茂木健
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2018/05/31
- メディア: 単行本
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一見何の不自由のない有閑マダムのようで陰で不妊治療と上流社会との交流に屈託を抱えるレイチェルが、お坊ちゃまの夫マーティをそそのかしてエリーに罠を仕掛けるもいつしか女性同士は共感を呼びあうように…みたいな展開の方が私的にはスッキリくるかなあ。
- 作者: 津村記久子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2018/06/07
- メディア: 単行本
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- 出版社/メーカー: ITV Studios
- 発売日: 2015/05/11
- メディア: DVD
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Poldark Series 2 / ポルダーク シリーズ 2 (英語のみ) [PAL-UK] [DVD][Import]
- 発売日: 2016/11/07
- メディア: DVD
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と言いたくなるほどエイダン・ターナーがかっこいい。話はバリバリにメロドラマだけど分かりやすいし、美男美女のコスプレがとってもよろしい。しかしロスはデメルザをもっと大事にしなさい!そんな仕打ちしたら絶対バチが当たるよ!(怒)
新井潤美の読者としては、英国の階級意識がとっても分かりやすく(ステレオタイプすぎるくらい)描かれていて興味深いです。いくら頑張っても成り上がり者扱いのワーレガン、いやな奴だけど意地悪したい気持ちはわかるよ…。
不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」 (平凡社新書)
- 作者: 新井潤美
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/05/01
- メディア: 新書
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これ邦題がスゴイんですが(汗)、ここでエイダン・ターナーが演じてるラファエル前派の立役者・ロセッティがとっても良かったので日本でちゃんとDVD化してほしいなあ。そのためにもエイダン様ブームが必要なんだけどなあ。
- 作者: ブレイディみかこ,松尾匡,北田暁大
- 出版社/メーカー: 亜紀書房
- 発売日: 2018/04/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「The Comet Seekers」(Helen Sedgwick)
読むきっかけは多分The Irish Timesの書評。とーっても私好みのお話でした:
- 作者: Helen Sedgwick
- 出版社/メーカー: Harper
- 発売日: 2016/10/11
- メディア: Kindle版
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南極調査隊の一員として出会い、お互いに惹かれ合うものを感じる2人、Róisín(ローシーンと読むのかな?)とFrançois。物語はそこから2人の過去に遡っていく。
アイルランドの田舎で2つ下の従兄弟 Liamと育ってきたRóisín。頭脳明晰で彗星の研究者を目指すRóisínにとって故郷はあまりに狭く魅力に乏しい。一方、昔から農場を営んできた家系である Liamに故郷を離れるという選択肢は無い。成人し愛し合うようになる2人だが、生き方の違いが2人の仲を引き裂いていく。
フランスはバイユーに住むFrançoisの一族は、彗星が地球に近づくと館に住みつく祖先たちの霊と会話できる、という不思議な力を備えていた。Françoisはまだその力に目覚めていないが、母親のSeverineは若い時から祖先たちと深く関わりあうあまり周囲からは狂人扱いされ引きこもりがち。幽霊話には懐疑的なFrançoisも、母親を気遣って傍らを離れないようにしていたのだが…。
リケジョの生きづらさがリアルなRóisínの物語と、ハリポタばりのファンタジー要素満載のFrançoisの物語。彗星という共通点を持って交互に語られる2つの物語が、重なりそうでなかなか重ならないのがまたニクイ。はかないようで実は周囲に強い影響力を与えている彗星という存在が、作品全体のモチーフとして効果をあげている。
もともと学者系女子の話にヨワい私はRóisínの生き方に惹かれちゃいました。学術的目標に向かっては迷いなく進めても、そこに人間関係のしがらみが加わると途端に不器用になってしまう。うーん切ない。
あと今どきの女子としては、Françoisが「南極料理人」というのもポイントが高いですね!(爆)
新潮クレストあたりで翻訳が出て、ついでに映画化とかしてくれると嬉しいなあ…と夢見たくなる作品でした。私にしては柄にもなくロマンティック。でもいいですよ。
最近読んだ本から
- 作者: 多和田葉子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/04/26
- メディア: 単行本
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- 作者: 小野俊太郎
- 出版社/メーカー: 彩流社
- 発売日: 2018/04/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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マニエリスム談義: 驚異の大陸をめぐる超英米文学史 (フィギュール彩)
- 作者: 高山宏,巽孝之
- 出版社/メーカー: 彩流社
- 発売日: 2018/04/12
- メディア: 単行本
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- 作者: 金子遊
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2018/03/24
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- 作者: 越前敏弥
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2018/04/19
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理系のための「実戦英語力」習得法 最速でネイティブの感覚が身につく (ブルーバックス)
- 作者: 志村史夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/04/18
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- 作者: マーク・ピーターセン
- 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
- 発売日: 2018/04/06
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最近読んだ本(と観たドラマ)から
時間もないのに歴史ものというか大河ドラマにハマっております。きっかけはCSで放送した「イサベル 波乱のスペイン女王」。15世紀にスペイン統一の礎を築いたイサベル1世の波乱万丈の生涯を描いたもので、これがみんな陰謀を張り巡らせるから話はなかなか進まないんだけど、めっぽう面白かったのです。女子としては「ベルばら」でいえばアンドレ・ポジション(愛しい女王を陰で支える役)のゴンサロ(鈴木亮平顔)が特にお気に入り。
今は続編の「フアナ」を経て「カルロス」観賞中。いやあ勉強になるなあ。とにかく人間関係(というか婚姻関係)が複雑なので、ドラマでジックリ観ないと覚えられません。
- 作者: 西川和子
- 出版社/メーカー: 彩流社
- 発売日: 2003/02/01
- メディア: 単行本
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しかしこのイサベルの末っ子がイングランドに嫁いでキャサリン・オブ・アラゴンとして苦労するわけね…と思うと胸が痛む。ちょうどGYAOで期間限定配信をやっていた「チューダーズ」を再鑑賞してしまいました:
『ウルフ・ホール』『罪人を召し出せ』を読んだ影響で、再鑑賞の今回は特にウルジー、トマス・モア、クロムウェルの関係性に注目して楽しみました。次に観るときはスペイン(と神聖ローマ帝国)との関係が気になるんだろうなあ(何度でも観たい)。
調子に乗って↓なんてパラパラ見ていたら久しぶりにマンガも読みたくなって:
- 作者: 細谷正充
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2017/12/25
- メディア: 単行本
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読み始めたのが『天上の虹』。里中満智子はそれほど好きな作家ではなかったのだけど、これを読むとベテランとしての構成力の上手さに唸らさせっぱなし。(これも人間関係(婚姻関係)が複雑なんですが、それぞれのキャラがしっかり描かれているのですんなり頭に入ってくる)先陣に立って少女マンガの世界を開拓してきた彼女ならではの主張も一貫していて、いやよく完結してくれました。続編的意味合いの『女帝の手記』もこれから読みます。
- 作者: 里中満智子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/12/11
- メディア: 文庫
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女帝の手記 コミック 全4巻完結セット (中公文庫―コミック版)
- 作者: 里中満智子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1998/02/01
- メディア: 文庫
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で、今はAmazonプライムで解禁になったHBOのドラマ「ローマ」を今頃いそいそと観ております。ヴォレヌスがんばれー。
「Inch Levels」(Neil Hegarty)
昨年 Irish Times紙のBook Clubにも選ばれた気鋭の新人、ということで読んでみました:
- 作者: Neil Hegarty
- 出版社/メーカー: Head of Zeus
- 発売日: 2016/08/11
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- 作者: Neil Hegarty
- 出版社/メーカー: Head of Zeus
- 発売日: 2017/11/01
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舞台はデリー州(北アイルランド)とドネガル州(アイルランド)の州境(国境ともいえる)、と言うだけで複雑な歴史が推測できそうな地域。さらにフィヨルドという独特の地形を活かして第二次大戦中は軍港としても栄えたとのこと。そのあたりの歴史は物語を語る際に随所に差し挟まれる。
物語は少女の突然の失踪、そして数日後の遺体の発見から始まる。明らかに殺人、しかし手がかりは何もなく、現場周辺の住民の間に悲しみと空しさ、そして怒りが広がっていく。
…ここから事件解明に向けて進んでいくのかと思いきや、話は突然数年後、ガンで死期間近の若者とその家族を中心に回っていく。愛情表現が下手でしばしば話し相手を傷つけがちな母親を筆頭に、存在感の薄い父親、優しいが情緒不安定な姉といけ好かないその夫、そして血縁でもないのに何故か常に母親と一緒にいる女性、といった面々のそれぞれの過去が、時代を行きつ戻りつしながら描かれる。
いやそれはそれで充分面白いんだけど、でも殺人事件はどうなったの?この一家と殺された少女の間に直接的な関係は何もない。同じ地域に住んでいて、事件に関する一連の報道をみな気にかけていたというくらいで…。
、と思ったら、終盤に思わぬ接点が出てきて一応ミステリとしてはオチがつく。イヤミスですけどね。
登場人物の中で一番印象的なのはやっぱり母親。最近読んだコルム・トビーン『ブラックウォーター灯台船』の母親にも通じる、愛情表現の不器用さ。アイルランドの母親って『アンジェラの灰』的に愛情深くおおらかなイメージがあるけれど、その陰には本来家庭向きでない女性(私だ)の人一倍の苦労もあるんだろうなあ。
- 作者: コルムトビーン,Colm T´oib´in,伊藤範子
- 出版社/メーカー: 松籟社
- 発売日: 2017/07/01
- メディア: 単行本
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- 作者: フランク・マコート,土屋政雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/12/20
- メディア: 文庫
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- 作者: フランク・マコート,土屋政雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/12/20
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しかしアイルランド作家の青田買いはやはり収穫がある。日本にも紹介されてなくはないんだけど、もっとまとまった形で意識的にキャンペーンをやってほしいものです。(その点、韓国の現代文学は今とても良い形で紹介されていてうらやましい)
- 作者: ドナル・ライアン,岩城義人
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2016/02/26
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- 作者: コリン・バレット,田栗美奈子,下林悠治
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2017/08/31
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- 作者: サラボーム,Sara Baume,加藤洋子
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2016/10/25
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