最近読んだ本から

前回「あっという間に1か月」とか書いてから、もう2か月たってるよ!

ホントなんとかしてほしい。

[音声DL] ヘミングウェイで学ぶ英文法

[音声DL] ヘミングウェイで学ぶ英文法

 

 『ヘミングウェイで学ぶ英文法』:さてさて「今年の夏は英文法がアツいぜ!」と、私が勝手に盛り上がっている…わけでもないようで、こちらの本は売れ行き好調との嬉しいお話。ちゃんと勉強したい高校生に喜ばれそうな、きわめて親切丁寧な解説。決して難解なことは言っていないけど、実際の授業でここまできちんと説明できる教師って、そうはいないんじゃないかな(したくても時間がないだろうし)。

実はあまりヘミングウェイは好きではなくて、その理由は多分、この本で取り上げられている6篇にも言えることだけれど、短くて、しかもストレートに物事を語らないので、勘の鈍い私は「ええっそうなの?」とあとで解説を読んで驚く、というパターンが多いからです。実際「白い象…」は学校の授業でも読んだんだけど、今回読み直しても「うーんやはりそういうことなのか」みたいな感想。「空気を入れる」って、絶対誰かから言われないとわからないなあ。

しかし取り上げられている6篇中5篇が、けっこうセクシュアルに(いろいろな意味で)きわどい話で、高校生がこんなの読んでドキドキしないのかな?と思ったりしたけど、むしろ多感な時期に触れておくほうがいいのかもしれない、と思い直したのは年寄りのいらぬおせっかい、ですね。

 

英文解体新書: 構造と論理を読み解く英文解釈

英文解体新書: 構造と論理を読み解く英文解釈

 

 『英文解体新書』:前掲書を満喫したあとはこちら、というわけで今読み進めているのですが、いやーこれツボにハマるわー。明快な解説と図表化で「そうそう、そういう細かいことを聞きたかったんですよ!」と思わずうっとりしてしまう。構造と論理、最高ですね。こちらも早々に重版が決まったそうで、やっぱり今年の夏は 「Let's learn 英文法!」じゃないでしょうか(うわ恥ずかしい)。

 

こういった、それなりに固めの本が評判を呼ぶのは、やはり昨今の「4技能」連呼と、それにまつわる大学受験制度の混乱からの反動があるからでしょう。いやもちろん4技能(読・書・聴・話)はどれも大事だよ?でも今は逆に文法が軽視されている気がするんですよね。もちろん文法を理解していなくてもそれなりに話はできるし、正しい文法にこだわるあまり喋れないというのも困るんだけど、それでも文法って最後にすがる「支え」として大切だってことは忘れないでほしいわけで…なんて考えるのは私が旧世代(「共通一次」世代)に属しているからなのかなあ。

 

掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集

掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集

 

 『掃除婦のための手引き書』:お勉強ばかりでなく普通の読書も。これは久々にガツンと来ました。お嬢様も貧乏娘も、大学教授も掃除婦も、勤労婦人もアル中女も、全部リアルに語れるってどういうこと? しばらく他の小説が読めなかったくらい圧倒的な一冊。今年はもうこれでいいよ(いや他にも読むけど)。