「馬を盗みに」(ペール・ペッテルソン)


図書館にて借出し:


馬を盗みに (エクス・リブリス)

馬を盗みに (エクス・リブリス)


輝いていた少年の夏の日々。しかしひっそり隠されていた秘密に気づいてしまった後では、もうそんな自分には
戻れない…。
老境に至った主人公の独白で現在と過去を行きつ戻りつする、という筋書きはもともと私の好みなのだけれど、
加えてノルウェー雄大な自然、その中で暮らす人達の確かな身体感覚が、読んでいて心地よい作品でした。
過去を振返る老人の現在の季節は厳しい冬なのですが、過去の夏も森の中の冴え冴えとした空気が感じられるような、
正に北欧的と思わせる作風。ぜひ冷たい風がまだ残る今のうちに読んでほしいです。他の作品も翻訳されたら
必ず読みます!


スパイたちの夏

スパイたちの夏


海に帰る日 (新潮クレスト・ブックス)

海に帰る日 (新潮クレスト・ブックス)


「少年」「夏」「秘密」つながりで。なぜこんなに似合うのか。どれも好きだなあ。