「ずっとあなたを愛してる」(2008)


レンタルDVDにて観賞:


ずっとあなたを愛してる [DVD]

ずっとあなたを愛してる [DVD]


小説家フィリップ・クローデルの初監督作品。フランスものは小説も映画も割と苦手な私ですが、
彼の小説は別です。昨年読んだ「ブロデックの報告書」も素晴らしかった:


ブロデックの報告書

ブロデックの報告書


この映画も地味ではありますが、2時間かけてじっくりと小説に集中したときのような充実感を味わえた
作品でした。15年振りに再会した姉と妹、その家族や同僚も含めてある種の動揺が起こりますが、決して
劇的な演出は取らず、日常の中で少しずつ変化していくそれぞれの心理状態が丁寧に描かれます。
そっとさりげなくささやかに、でも「ずっと」相手のことを思いやっていくことが真の愛情なのだ、と
告げられたような気持ちになりました。映画好きよりも、むしろ読書好きの人に勧めたくなる作品です。


主演のクリスティン・スコット・トーマスは、私にはずっと「イングリッシュ・ペイシェント」の不倫妻の
イメージが強かったのですが、この映画の中では疲れ切った素顔で登場して「えー?!こんな人だっけ?」と
思ってしまうほどでした。その後段々と優しい表情を浮かべるようになってくるのですが、それもごくごく
自然な感じで好感がわきました。先日翻訳が出た映画「サラの鍵」でも主演だそうで、フランス語が出来る
こともあってこれからも色々活躍してくれそうです。
(しかし経歴を調べてたらデビュー作が「アンダー・ザ・チェリー・ムーン」と知ってビックリであります。
えー私、映画館で観たよ(汗;だって殿下のファンだったんだもん)…み、観直してみようかな…)