最近読んだ本から
いかにしてアーサー王は日本で受容されサブカルチャー界に君臨したか〈ランスロット版〉: 変容する中世騎士道物語
- 作者: 岡本広毅,小宮真樹子
- 出版社/メーカー: みずき書林
- 発売日: 2019/03/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
『いかにしてアーサー王は日本で受容されサブカルチャー界に君臨したか』:
アーサー王関連は一時期ハマっていて、それこそ高宮利行氏の著作などを愛読していたのですが、ゲームは疎いので「Fate」シリーズがアーサー王ベースだなんて全く知らなかったな(しかもアーサーが女性とはね!)。
学術的なものからポップなものまで多彩な内容で、なにかしら勉強になるところが多かったです。また読みたい本が増えちゃいました。
個人的に一番面白かったのは、小谷真理氏の「『こころ』に見るランスロット像」で、漱石の短編「薤露行」を丹念に読みほぐしてから、『こころ』の「先生」を「ギネヴィアを手に入れてしまったランスロット」に見立てた考察(つまり「K」がアーサー王にあたる)には思わずウットリしました。こういうのもっと読みたいなあ。
『ある男』:前作『マチネの終わりに』は悪くはないけれど恋愛ものの苦手な私にはあまり響かなかったのですが、これは宮部みゆき『火車』あたりを連想させる社会派ミステリ系+αという感じでとっても読み応えがありました。最近なんか面白い小説読んだ?と聞かれたら、前説明なしに誰にでもスッと薦められそうな一冊。