先月読んだ本から

読みたい本が増えてばかりで困っております。予定が詰まっているので感想は簡潔に:



冬の物語

冬の物語

「冬の物語」:題名がシェイクスピア冬物語」に似ているのは単なる偶然と思っていたのですが、読んでみると通低音が互いに響きあっているという印象を受けました。静かで残酷な寓話風。



深夜百太郎 入口

深夜百太郎 入口

「深夜百太郎 入口」:いやいや怖いのはもういやあ!と思いながらも読んでしまうのはやっぱり語り口がうまいからなんだろうな…怖いだけじゃなくちょっと笑えたりシンミリしたり…ああでもやっぱり怖い怖い…



つつましい英雄

つつましい英雄

「つつましい英雄」:ノーベル賞作家の作品がこんなに面白くて良いのか!(←偏見)というくらいエンタメ要素満載で一気読みでした。どうしてみんなもっと読まないんだろ?もちろんバルガス=リョサだからお色気もたっぷりよん(と媚びてみる)。



竹取物語伊勢物語堤中納言物語/土左日記/更級日記(日本文学全集3)」:まずは川上弘美が訳す「伊勢物語」が凄い。一見淡々と訳しているようで、奥に深い日本人の「情」(愛情、友情、同情、情念…)がある。堀江敏幸の「土左日記」訳はかなり大胆な試みで、最初は読みにくいかと思ったが読み始めると深みに嵌って抜けられなくなる。他の作品も粒揃いで、今の時点で全集から一冊選べって言われたらこれかも。




ドローンランド

ドローンランド

「ドローンランド」:ドイツの近未来SFミステリ。世界観がしっかりしていて読みやすい。早川か創元の文庫で出したほうがもっとアピールできたんじゃないかしらん。



アーサーとジョージ

アーサーとジョージ

「アーサーとジョージ」:原作を読んで丸10年、まさか今頃翻訳が出るとはね!英国でTVドラマ化されたというからその影響?(でも予告を観ると結構脚色してあるっぽい)今回久々に読み返してみましたが、私、最近になって英国長編小説の独特のまったりした面白さっていうのが分かってきた気がします。



小説がらみの映像関連では「ウルフ・ホール」(BBCドラマ)を鑑賞:


MASTERPIECE: WOLF HALL

MASTERPIECE: WOLF HALL

いやあ地味渋ですね…もちろん面白いんだけど、もともと原作もニッチを狙ってますからね。まずは過去の数あるヘンリー8世ものである程度予習してから観ることをお勧めします。しかしアン・ブーリンってやっぱりイヤな女だなあ。



さてさて今週末はtwitter文学賞発表ですね。順位そのものより投票作品全体を楽しみたいです。思わぬ掘り出し物、あるかなあ?