「The Ballroom Cafe」(Ann O'Loughlin)


きっかけは The Irish Timesの書評から:

The Ballroom Café

The Ballroom Café

The Ballroom Cafe

The Ballroom Cafe


今ではすっかり有名になってしまった、アイルランドカトリック教会が関与した幼児売買。昨年日本公開された映画「あなたを抱きしめる日まで」でも取り上げられていました:


あなたを抱きしめる日まで [DVD]

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あなたを抱きしめる日まで (集英社文庫)

あなたを抱きしめる日まで (集英社文庫)

(ぜひ映画と小説はセットで鑑賞してほしい…!)


この小説でも、修道院によって無理矢理引き裂かれた親子が長い年月を経たあとで失った過去を取り戻そうとする姿が描かれます。本の装丁から分かりやすくセンチメンタルな女性向け小説だと容易に想像はつきますが、それでもこんな風に涙を呑んで別れた母子が大勢いたのだろうな…と思うだけでつらくなります。作中の修道女の台詞にもあったように、当時は皆良かれと思ってやった(母親側には不名誉と経済的苦境から救うという名目で、子供側には裕福で幸福な家庭を提供するという目的で、教会側は金銭的援助を得られるという意味で)という事実が、今になって振り返ると一層つらい。まだまだ隠された物語は数多くありそうです。