先月読んだ本から

8月は記録的に本を読めなかった…。


歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス)

歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス)

「歩道橋の魔術師」:素直に良い出来の幻想短編集だけど、これをマジックリアリズムと評するのはちょっと違うんじゃないの?マジシャン出てくるからそう言ってるのか。


ゲルマニア (集英社文庫)

ゲルマニア (集英社文庫)

ゲルマニア」:ユダヤ人の元刑事とナチス将校による相棒刑事もの、という発想が面白い。配偶者がドイツ人の場合はユダヤ人でも多少は優遇措置があったというのは知識として知ってはいたけど、実際はこんな感じだったのね。話は混み入っていて読み応えありだけど、後半あんまり相棒感が感じられなくなっていたのが残念。


悪女は自殺しない (創元推理文庫)

悪女は自殺しない (創元推理文庫)

「悪女は自殺しない」:調べれば調べるほど被害者の女性が本当に悪い女で、関係者の誰に殺されても文句は言えないってくらい(むしろやったれやったれ!と犯人を応援したくなる)で、どんどん容疑者は増えるは、周辺の悪事がバンバン発覚して殺人捜査まで手が回らなくなるは、と、果てしなくエスカレートしていく様がもはや痛快。シリーズものの第一作目がようやく翻訳された(3、4作目が先行して翻訳)わけですが、個人的にはこれが一番面白かったな。シリーズ内の人間関係も段々変わってきているので、2作目が翻訳されたら順番に読み返して確認したい。


KANO」:ベタな演出も多々ありましたが、戦時中に実際に台・中・日が協力して一つの夢(甲子園優勝)を果たそうとした、そんな淡い夢のような世界を見せてもらった気がしました。今だって協力しあえないはずがない、そう思いたいものです。


9月はもう少し頑張る…。