クリストとジャンヌ=クロード展@六本木


ミッドタウン内の「21_21 DESIGN SIGHT」は、昨年の「骨」展がとても良かったので、その後も注目してました。
今回は昨年末に亡くなられた奥様のジャンヌ=クロード追悼の意味を込めた特別展です:


●公式サイト:http://www.2121designsight.jp/candj/index.html


これまでの活動を丁寧にまとめて紹介しているので、クリスト初心者にも充分楽しめる内容になっていると思います。
クリストと言えば「何でも包んじゃう人」、俗に梱包アーティストという印象が強いですが、本人も言うように年々
包み方が進化しているのが良く分かりました。布の柔らかさ、襞の美しさがより強調されてきています。
丸ごと包むだけではなく風を含ませる、なびかせるといった手法も駆使されています。





プロジェクトのために描かれたドローイング等を売って資金調達に充てているわけですが、このドローイングが本当に
美しくて素晴らしいといつも思います。プロジェクト用の青写真としてだけではなく、一つの作品として観賞に耐えうる
端正さと力強さに満ちています。これなら私も飾っておきたいなあ。


ただ今回、ニューヨークはセントラルパークでの「The Gates」プロジェクト鳥瞰写真を見てふと桜並木を連想しました。
今回多数の「ゲート」を短期間配置することで得られる風景の異化作用を、開花期の桜並木は毎年自然に遣り遂げているのでは
ないか?そう思うと日本はなんだか得しているような気分になりました。まあもうすぐ花見シーズンなので安易な妄想に
ふけってしまっただけなのかもしれないですけど…。



今回の展示会では彼らの活動を追ったドキュメンタリー映画を複数上映しています。私は「パリのクリスト」の後半だけ
観ましたが、交渉段階から設営、さらには観客の反応までをリアルタイムで捉えた映像はスリリングでとっても面白い!
これは機会を見つけて全作品観てみたいものです。
「隠すことで見えてくるものがあるのね…」という一通行人の発言が、簡潔にして要点を押さえていました。



クリスト&ジャンヌ=クロード DVD BOX

クリスト&ジャンヌ=クロード DVD BOX