「ヒトラーの秘密図書館」(ティモシー・ライバック)


図書館より借出し:


ヒトラーの秘密図書館

ヒトラーの秘密図書館


自分の学歴にコンプレックスを持っていたヒトラーは、その分読書家で、一晩一冊以上のペースで本を読んだそうです。
その蔵書の殆どは終戦時に散逸してしまい、まとまった数としては米議会図書館に約1300冊が保存されているのが最大で
あとは世界各地にバラバラ残されている程度。著者はその蔵書からヒトラーが読み、時に書き込みをした跡を丹念に
辿っていきます。


全十章、ヒトラーの人生その時々に影響を与えた本を中心に、関係者へのインタヴューや多くの資料を基に語られる
彼の人格および思想形成の物語はとても読み応えがあります。著者と一緒にヒトラーの個人蔵書を開いているかのような
臨場感と迫力。学術的に目新しいものはないかもしれませんが、読ませる一冊であることは間違いありません。