「白い城」(オルハン・パムク)


図書館にて借出し:


白い城

白い城


ノーベル賞も受賞して今や押しも押されぬ大作家となったパムクの、これは割とまだ初期の作品。
そのせいか以前読んだ「わたしの名は「紅」」そして「雪」に比べると構成が幾分単純に思えますが、それでも
史実と幻想が交じり合ったような文章は読んでいて楽しかったです。ちょっとカルヴィーノの「見えない都市」なんかを
連想しました。


見えない都市 (河出文庫)

見えない都市 (河出文庫)


訳者のうち宮下志朗氏の方は仏文学者として良く存じ上げていたので、これも仏訳からの重訳なのかな?と思っていましたが
まさか御子息の遼氏がオスマン帝国文化の研究者だったとは…。というわけで日本語版は遼氏がトルコ語から翻訳したものに
志朗氏が念のため仏・伊訳を参照してダブルチェックをかけたものだそうで、正に鬼に金棒。このペアで他のパムク氏の著作、
そしてまだまだ未訳の多いトルコ現代文学をどんどん紹介していってほしいものです!



本の都市リヨン

本の都市リヨン