最近読んだ本から

前回の続きを書こうと思っているうちに月が変わってしまった…というわけでもう、月ベースでの更新は諦めました。書きたい時に書きます(と考えていると結局書かないから月ベースにしたはずなんですが…まあまあ):


黙約(上) (新潮文庫)

黙約(上) (新潮文庫)

黙約(下) (新潮文庫)

黙約(下) (新潮文庫)

『黙約』:前々回紹介したフェッランテやライリーなどと同様、欧米では熱狂的人気なのに日本では盛り上がってないドナ・タート。私も最新作『ゴールドフィンチ』は今一つノレなかったなーと思いつつ、デビュー作が新装再刊となったのでついつい読了。個人的にはこっちの方が素直に面白かったです。特にある「事件」が露わになってからの後半、登場人物たちがジワジワと追い詰められる(と勝手に自分たちで思い込んでくる)あたりは長編ならではの重厚な読み応えがありました。


物語の裏テーマとして、地方大学に集う若者が作りあげた牧歌的/閉鎖的/特権的な「場(それはしばしば青春とも呼ばれるものですが)」の崩壊、というものがあると思うのですが、このテーマ自体は結構普遍的だよね…例えば『ハチミツとクローバー』とか!(爆) つまり、ある学問的興味(『黙約』では古代ギリシア語/『ハチクロ』では美術)を共通点に集まった数人の若き男女が、個性的な先生の庇護の下で、社会と隔絶された祝祭を繰り広げる…という感じで、類似点を踏まえて脳内変換しはじめたら面白くて止まらなくなりました。これはぜひ他の方にもやってみていただきたい。

竹本=リチャード&森田=ヘンリーで、はぐちゃんは(女性枠一つだから)必然的にカミラ?とか色々遊んでみて下さい…



BUTTER

BUTTER

『BUTTER』:柚木麻子の作品は以前『ナイルパーチの女子会』を読んで、その女子たちのウザさにゲッソリした記憶があったのですが、これはそのウザさが「バター」ならではの胃モタレ感にうまく変換されていて上手いな、と思いました。木嶋佳苗をモチーフに、こういう攻め方をするって凄い。



ゲンロン0 観光客の哲学

ゲンロン0 観光客の哲学

小説以外では圧倒的にこの2冊。もはや充分話題作なので今さら私が取り上げるまでもないけれど。



『ライブラリアンズ』:最後に紹介するのは、ようやくDVDが出たTVドラマ。(この前に2時間ものが何本かあるけどそれは観ても観なくてもよい)司書って題名だけで本好きなら興味を引かれるはず。特に第2章の悪役はプロスペロー(「テンペスト」)とモリアーティ(「ホームズ」)、ってめちゃくちゃ強そうでしょ?気軽に楽しめる内容だし、主演?のレベッカ・ローミンがさすがにスタイル良くて強くてカッコイイ。惚れます。


次回はまたドイツもの特集、の予定です。せっせと読まにゃ。