先月読んだ本から

気がつけば今月も、はや中旬となってしまいましたが、振返らないのも気持ち悪いのでサックリと:


パノララ

パノララ

『パノララ』:twiiter文学賞国内部門第2位。変形家族小説、ではありますが、そこに砂粒のように混ざっている「異質」な要素がほどよく作用していて面白かったです。作者の他の作品ももう少し読んでみよう。


深夜百太郎 出口

深夜百太郎 出口

『深夜百太郎 出口』:相変わらず基本はとっても怖いんだけどクスッと笑えたりジワッときたりで、ついつい読み通してしまう。怖がりの私には地獄とも極楽とも区別のつかない経験でした。えーん


黄金の少年、エメラルドの少女 (河出文庫)

黄金の少年、エメラルドの少女 (河出文庫)

『黄金の少年、エメラルドの少女』:題名と表紙がメルヘンチックだったのでこれまで敬遠していたのですが、読んでみたらこれがかなりエグくてびっくり。逆境下における人たち(特に女たち)の非・連帯感が半端なく描かれています。中国人おそるべし。




4月はイベントにも2件参加しました:

◆「萩尾望都SF原画展関連イベント:萩尾望都ヤマザキマリ対談」(2016/4/16、武蔵野公会堂)
・SF原画展HP:http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/exhibitioninfo/
・イベント感想ツイートまとめ(togetter):http://togetter.com/li/963541


私にとってモトさまは神様のようなものでして…まさか御本人を拝めるとは、いやあ東京ってホントに良い所だなあ(?)。近年の活動はあまりチェックしてなくて反省。ちゃんとフォローしなきゃ。「ポー」の続編も読まねば!(でも絵柄がかなり変わっちゃってるのよね…まあ40年ぶり!ですから当然ですが)

萩尾望都 SFアートワークス

萩尾望都 SFアートワークス

個人的には「銀の三角」の頃の絵が一番好き。



河出書房新社130周年記念企画 「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」連続講義 作家と楽しむ古典 第2回『宇治拾遺物語』 講師:町田康 (2016/4/26 ジュンク堂池袋店)
・出版社情報掲載サイト:http://www.kawade.co.jp/news/2016/03/426-130.html

こちらも一度はお会いしたかった人、町田康氏。「宇治拾遺物語」の現代語訳は、よくぞここまで…!と驚くほど大胆で斬新、と思っていたのですが、講義の後では至極真っ当な訳に思えてしまったから不思議。本人もとても楽しんで訳されていたようで「下手なスマホゲームより古典翻訳する方が楽しいですよ皆さん」と聴衆を焚きつけてました。いい意味でだらっとリラックスした楽しい講義。場所がキツキツだったのがちょっと残念。