先月読んだ本から

日本翻訳大賞、twitter文学賞など、一般読者も投票できる文学賞の締め切りもそろそろ。できるだけマイナーな作品に一票投じて注目してもらおうと画策中:



文学会議 (新潮クレスト・ブックス)

文学会議 (新潮クレスト・ブックス)

「文学会議」:ヘンな話だとは噂に聞いてましたが、なるほどホントにヘンテコでした。表題作の真面目な抜けっぷりがおかしい。



未成年 (新潮クレスト・ブックス)

未成年 (新潮クレスト・ブックス)

「未成年」:当初予想した「信仰vs法律」という話ではなく「大人」とはどういう生き物かを深く考えさせる小説。異物を取り込むことを拒否して死を望むのが未成年なら、異物を取り込み苦しみながらも生き延びるのが大人、なのでしょうか。魔球庵先生相変わらず容赦ないです。



アンダー、サンダー、テンダー (新しい韓国の文学)

アンダー、サンダー、テンダー (新しい韓国の文学)

「アンダー、サンダー、テンダー」:どこか懐かしい、けれども深い痛みを伴う青春小説。この作品を含めて、この「新しい韓国の文学」シリーズは近々もっと評価されることになるはず、と今から予言しておきます(←偉そう)。



美について

美について

「美について」:原書を読んだこともほとんど忘れていたので、今ごろ翻訳が出てビックリ。当時は元ネタの「ハワーズ・エンド」は未読だったので今回事前に予習してから臨んだら、冒頭なんてモロに「ハワーズ…」をなぞっていて思わずニヤニヤ。TVドラマ化しないかな!

ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7)

ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7)

ハワーズ・エンド [DVD]

ハワーズ・エンド [DVD]

ところで「ハワーズ・エンド」は映画くらいは観ていた気持ちでいたんですが、今回読んでみて私が観たのは「いつか晴れた日に(分別と多感)」だと気がつきました…(エマ・トンプソンつながりですな)。そのうち映画も観てみよう。でも正直、フォースターってやっぱり好きじゃない…。