「マイナードイツ映画(発掘)講座:イントロダクション」(於:アテネ・フランセ文化センター)

◆詳細:http://www.athenee.net/culturalcenter/program/mg/mgf0.html


観たいなーと思いつつ観逃していたクリスティアン・ペッツォルト監督の『イェラ』が上映される、ということで行ってきました。雪にならなくて良かった。


映画が観たかったのは勿論なのですが、上記サイトに紹介されていた渋谷哲也氏の「挨拶の言葉」に激しく共感を覚えたというのも参加理由の一つ:

かつて映画は、観たい作品の劇場公開やソフト化をじっと待つ時代が長かった。しかし現在、自発的に作品を上映するのはさほど難しいことではない。その試みをドイツ映画でささやかに始めてみたいと思う。


先日読んだ『国境を超える現代ヨーロッパ映画250』を読んで強く感じていたのですが、せっかく良い映画を紹介してもらっても、特別な映画祭に前々から目配りをして気になる上映作品を調べ、自分の都合を調整してわざわざ足を運ばなければオシマイ(DVDも発売されない)、というのは一般人にとってあまりにハードルが高すぎます。メジャー系映画ならネット配信を含めて「観たい時にすぐ観たいものを」という環境がどんどん整備されているのに、マイナー系こそそれらの環境を活用するメリットは大きいはずなのにどうすれば…と悶々と考えていたわけです。



そんな同書の編集者の一人でもある渋谷氏が立ち上げたイベント、しかも今後も同様のマイナー作品を年3〜4回は上映したい、というその意気込み、これはもう応援するしかない!


しかし客観的にはこんなマニアな企画、大丈夫かな?と思ってましたが、会場の入りも8割ほどでなかなかの賑わい。渋谷氏も言うとおり、ペッツォルト作品は最近商業上映もあって注目されているということかもしれませんが、まずは立ち上げ成功じゃないでしょうか。


映画自体は予想していたのより随分不思議ちゃんでした。冒頭から「いやいやそんなはずは…」の展開だったのでオチはすぐに分かったんですが、どこに持っていかれるか分からなくて思わず見入ってしまう…それこそが監督の意図だったという上映後の渋谷氏の説明に至極納得。
頭は悪いけどお勉強好き、の私にはこの手の「上映+レクチャー」形式はすごく効果的です。今回も作品の背景(元ネタの一つはアメリカのB級ホラー映画、とか)を解説してもらえて色々と興味が深まりました。渋谷氏もノリノリで思わず時間オーバー。最後に紹介されていた監督の未公開作「Jerichow」(2008)もぜひ観てみたいです。



来月DVDになる↓はすぐに観る予定(今回ネタバレされちゃったけど):

あの日のように抱きしめて [DVD]

あの日のように抱きしめて [DVD]

(邦題がちょっと恥ずかしい…)


こちらは鑑賞済。ニーナ・ホスかっこいいですね:

東ベルリンから来た女 [DVD]

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