先月読んだ本から

あれ、意外と小説は読んでない…。


火星の人 (ハヤカワ文庫SF)

火星の人 (ハヤカワ文庫SF)

「火星の人」:第5回twitter文学賞の海外部門第5位。久々にファンタジーじゃないSFで面白いの読んだなあ、と大満足。しかしNASAの人ってやっぱり賢いな私なら速攻で死んじゃって物語が続かないですよ。いかにも(良い意味で)ハリウッド映画っぽいドキドキハラハラな作りなので映画化は納得&期待(でもマット・デイモン最近ちょっと出過ぎじゃない?)。


カステラ

カステラ

「カステラ」:第1回日本翻訳大賞受賞作。韓国文学ってあまり馴染みがないし、良く知らない出版社から出ていたこともあってノーマークだったのですが読んでみて驚愕、いやこんなに読み応えがあるとは!日本と韓国はやっぱりユースカルチャーが似ている、でもちょっとだけズレている、その微妙なズレがシュールな描写とも重なってきて面白かったです。村上春樹の影響も当然あるんだろうけど、不況を体験している(就職・失業が切実な問題となっている)世代という意味で、奥底に「社会への怒り」が深く埋め込まれているという感じ。良い作品を紹介してもらいました。

(ところで韓国にもカステラあるのかな?と調べたら、長崎カステラが人気で韓国でも作り始めた…ってことみたいですね(一例)。ドイツに居たとき、時々あのふんわりしっとり感が恋しくて日本から送ってもらったこともあったなあ…カステラの食感ってホント独特だと思います)


映画では度肝を抜かれたコチラ:

「パラダイス3部作」:監督はオーストリアの鬼才?ウルリヒ・ザイドル


◆映画公式サイト:http://www.paradise3.jp/


いやもうとにかく一作目「愛」主演のおばちゃんのあられもない姿からしてとんでもないですわ。もったいぶったキレイな話なんかしませんよ、とその肉体が告げております。
赤裸々でえげつない、なのになぜか観終わった後では切なささえ感じてしまう、おっそろしくインパクトのある作品群でした。しかし意外とクセになりそう…。



うってかわって↓はブックオフのワゴンセールス(250円!)でDVD見つけて思わず購入:

ボストニアン [DVD]

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ボストニアン」:ヘンリー・ジェイムズの原作読んだのって10年近く前、現物見るまですっかり忘れてました。映画の方は話のキモになるヴェレナが全然聡明にも雄弁にも見えなくて、監督もっと上手く演出しろよ〜という感じ。これではヴェレナを慕う後見人役のヴァネッサ・レッドグレーヴが勿体なさすぎる。
細かい感想は小谷野敦氏のブログ内容にほぼ同意です。