先月読んだ本から

2月ってやっぱり短い…。


寝ても覚めても夢

寝ても覚めても夢

寝ても覚めても夢」:ちょっとブラックなスラップスティック。主人公が浮気性の映画監督ということで映画「8 1/2」なぞを思い出したり。



ザ・サークル

ザ・サークル

ペナンブラ氏の24時間書店

ペナンブラ氏の24時間書店

ザ・サークル」/「ペナンブラ氏の24時間書店」:ネット社会だからこそ成立するディストピアとファンタジー、という意味合いで2冊を読み比べてみました。
ザ・サークル」で描かれる“友だち地獄”は、実は今の日本の方がずっと先をいってるんじゃないかなあ…と思ってしまいます。あるある話は満載だけど斬新とまではいかなかったかな。
「ペナンブラ…」は原書で一度読んでますが、やっぱりこっちの方がネットの使い方にワクワク感があって良い。社内間の「いいね!」の獲得にやっきになるより、おっぱいシミュレーションソフトで大金稼ぐほうがずっと楽しいじゃないですか。可愛くて知的でぶっとんでるグーグル社員のキャットが特に最高です。

【参考】「電子と本のハイブリッド小説が問いかけるもの」(マガジン航):「ペナンブラ」を素材にこれからのデジタルと本について語り合ったトークイベント。この内容が面白くてつい「ペナンブラ」再読してしまいました。


苦海浄土 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)

苦海浄土 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)

苦海浄土」:いつか読もうと思っていながらなかなか手が出なかったのですが、河出の日本文学全集刊行開始の勢いを借りてようやく読了。今さら私が付け加えることなど何もないですが、とにかく今はこの作品を「世界文学全集」に取り込んだ池澤夏樹氏と出版社の決断にただただ敬服するばかりです。しかも3.11の後でこの作品を読むことの意味の重さときたら…預言とはこういうものなのでしょうか…。



日本まんが 第壱巻: 「先駆者」たちの挑戦

日本まんが 第壱巻: 「先駆者」たちの挑戦

日本まんが 第参巻: きらめく少女の瞳

日本まんが 第参巻: きらめく少女の瞳

「日本まんが」(全3冊)/「竹と樹のマンガ文化論」:たまたま日本のマンガ文化についての対談集を幾つか読む機会に恵まれて、マンガっ子の私はシメシメと読了。昔から私の神様は萩尾望都ですが、やっぱり論理的に語らせると(両シリーズに出ている)竹宮惠子の方が説得力があるかしらん。黎明期の資料収集と保存の難しさ、海外マンガとのシステムの違いなど色々と興味深い話が満載でした。特に「日本まんが」で当事者の語る戦後の貸本・赤本文化などはほとんど知らない世界で驚いたなあ…ファン意識を除いた上で個人的におもしろかった対談はやなせたかし氏(第壱巻、アンパンマンだけじゃないっ)、さいとう・たかを氏(第弐巻、ゴルゴだけじゃないっ)、高橋真琴氏(第参巻、グッズも売ってるよ)でした。