2014ドイツ映画特集(於:ドイツ文化会館ホール)

ようやく今年もこの季節がやってきました!と喜ぶのは良いけど、年々扱いが地味になっているような…。
◆詳細:http://www.goethe.de/ins/jp/ja/tok/ver.cfm?fuseaction=events.detail&event_id=20439777

今年の紹介作品は4本。そのうちの目玉であろう「警察官の妻」は都合がつかなかったのですが、残りの3本を頑張って観てきました。


「西という希望の地(Westen)」(2013)
(↑英語字幕版にしてみました)

1970年代、東ドイツから出国してきた母子が、西ベルリンの受入れ亡命者用施設で過ごす1年ほどの生活がかなり具体的に描かれています。子供の父親がロシア人で不可解な死(?実は生きているかも)を遂げたことからスパイの疑いをかけられ、西側で人間不信の状態に追い込まれていく母親ネリ―の葛藤が息苦しいほどリアル。
ラストは割とあっさりと終ってしまったのですが(あれ?父親は?)、原作者ユリア・フランクは『真昼の女』(ドイツ文学賞受賞作)なんかは読了後も感情を引きずるような作品だったので、これも映画は結末を少し変えているのではないのかな?と勝手に推測。ちょっと比較してみたいなあ。


真昼の女

真昼の女

子供を捨てて悪い母親だ!とか一言では言い表せない思いが残る…


West

West

英語版のあらすじを読むと、ネリ―の子供が1人じゃなくて2人、ってところから既に設定が違うみたい。うーんますます読み比べたい…。


話とは直接関係ないけど主演の女優さん(イェルディス・トリーベル)、作中に(尋問という形で)全裸場面があったのですが、筋肉しっかりのすんごくたくましい体つきで思わずおおおと唸ってしまいました…日本人とはやっぱり体型が全然違うなあ。ちなみにセクシーなシーンでは全然ありましぇん。


ゲーテなんてクソくらえ(Fack Ju Goethe)」(2013)http://www.youtube.com/watch?v=/p7a1h0V1AhI
(英題は"Suck Me Shakespeer"だそうです。おいおいっ)


こういうおバカに振り切ったドイツ映画観るの、久しぶりだなあ。
ドイツのコメディって下品で、展開強引で、ほんっとくだらない!んだけど(だから日本では劇場公開はおろかDVDにすらならないことが多いけど)、こういうところから逸材が飛び出してきたりするからあなどれない。今作の主演、エルヤス・ムバレクもハチャメチャだけど頼れるアニキ、という感じが良い良い。いつも幸薄そうなイメージのカロリーネ・ヘアフルト(相手役)も、その薄幸さを逆手に取ったような要領の悪さを全面に押し出していてかえって可愛い♪生徒役もみな個性的でこれからが楽しみ。一応続編も企画されてるみたいです。


「バール(Baal)」(1970)
原作ブレヒト!監督シュレンドルフ!主演ファスビンダー!幻の作品!という謳い文句に誘われて観てみましたが、うーん前衛的な内容もボブ・ディラン風の音楽も、ちょっと私向きではありませんでした…ドイツ語の詩を原語で味わえるくらいの方なら、言葉の美しさにもっと惹き込まれて面白く観ることが出来るのかも。私はといえば小太りファスビンダーを若い頃の石原裕次郎(?!)に脳内変換して頑張って観ておきました。(いや別に裕次郎が好きなわけではないんですがなんかそんな気分で)あ、マルガレーテ・フォン・トロッタハンナ・シグラは若くて綺麗でした〜。


というわけであっという間に終わってしまった今年の「ドイツ映画特集」。せめて春・秋2回くらいやってほしいわ…今回観れなかった「警察官の妻」もそのうち観る機会がありますように。