「海賊女王」(皆川博子)


図書館にて借出し:


海賊女王(上)

海賊女王(上)

海賊女王(下)

海賊女王(下)


エリザベス一世と同年代にアイルランドの小部族の女族長として、そしてまた女海賊としてその一生を闘いに投じたグラニュエル(グローニャ)・オマリーを中心に繰り広げられる歴史絵巻。


エリザベス一世統治下のイングランドから話が始まるので、二人の女王のガチンコ対決が早々に見られるのかと思いきや、そこからグローニャの生い立ちに戻ってしばらくはずっとアイルランド側の話。
周囲の部族と力の均衡を保ちつつ、さらに攻め寄せてくる強敵イングランドも追い払わなくてはならないグローニャの人生は正に策略と戦いの連続、しかしどんな敵にもひるまず立ち向かう海賊女王のなんとも凛々しいこと。
後半のイングランド絡みの展開がもっと早く来てくれても良かったように思うけど(伏線忘れちゃうよー)、アイルランド好きにはたまらない内容でした。ケン・フォレットの『大聖堂』みたいにTVドラマで観てみたいなあ。



YouTubeで見つけたDiscoveryChannel製作のドキュメンタリー。いやーさすがにここまで美人じゃなかったと思うよ?


おまけ:イングランド側の策士であるセシル親子は、先日観た映画『もうひとりのシェイクスピア』でも印象深い悪役でした。そういう役回りなのね(笑):

もうひとりのシェイクスピア [DVD]

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↑女王以外は基本おっさんばかりなのがナンですが、緻密な構成で予想以上に面白かったです。
(公式サイト:http://shakespeare-movie.com/


●著者インタビュー:http://shukan.bunshun.jp/articles/-/3172
グローニャより著者の方が凛々しすぎるかも…83歳にしてこの創作力!