「OH BOY (Oh Boy)」(於:ドイツ文化会館ホール「ドイツ映画特集」)
「ドイツ映画特集2013」で私が観た2本目。
今年のドイツ映画賞で作品賞など主要6部門を受賞した話題作です。元々は卒業作品として制作されたということで、当然これが監督の長編デビュー作:
これは素敵!モノクロのシャープな映像、オシャレな音楽、思わずニヤッとしてしまう間の置き方、クセはあるけど妙に可愛げのある登場人物たち、軽いと思わせておいて実は過去の暗い影を垣間見せるエピソード…モラトリアム青年・ニコ君の大変な一日、という感じで核としたストーリーがあるわけではないけれど、彼の適度なヘタレ感というか疲労感に共感してしまう人はきっと多いはず。
ニコを演じるトム・シリング君は、映画「エリート養成機関 ナポラ」の準主役での演技を観たときからその繊細な表情に惹かれて密かに応援していたので、今回ドイツ映画賞で主演男優賞を獲ってくれてとっても嬉しい!
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2006/09/22
- メディア: DVD
- クリック: 30回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
↑このジャケットだけ見たら主演はトム君だな…(ドイツ版とは別デザイン)本当は隣の金髪君が主役なんだけど。
↑勝手にトム君の名場面集を作ってる人もいる…
しかしこの手の繊細さが売りの若手俳優は(1)夭折する(例:リバー・フェニックス)、(2)グレる(例:E・ファーロング)、(3)演技達者な童顔のオッサンになる(例:でかぷー)のパターンに陥りやすいので、トム君もこの先どうなることか…と勝手に心配していたのですが、今回この映画を観て(4)イカレた知的演技派(例:エドワード・ノートン先生)の道もアリだな!と思いました。これからもずっと活躍してほしいです。あーでもこの映画に関しては来春一般公開も決まっているそうで、それで日本ですごく人気出ちゃったらそれはそれで寂しい…(←わがまま&考えすぎ)。
ともあれ、ドイツの新しい風を感じる作品でした。この作風、真似したがる人が沢山出てきそう。
メモ:8月に渋谷で上映が予定されている「特集 ベルリン派の作家たち」も観ておきたい!