「本を作る男‐シュタイデルとの旅」(2010)
シネフィル・イマジカにて放映:
●「シネフィル・イマジカ」内の紹介サイト:http://cinefilimagica.com/movie/m9/119003.html
●出版社Steidl社サイト(英語):http://www.steidlville.com/
ドイツの出版社・シュタイデル社を営むゲルハルト・シュタイデル氏が仕事であちこち奔走する様子を
追いかけたドキュメンタリー。
いやあこれはもう編集者の鑑のような人ですね!アーティストや作家ときっちりと話し合い、
編集方針から印刷・製本まで様々なアイデアを提案し、「この場合は幾らかかってこんな効果が…」
と具体的に算盤もはじいてくれる。アーティストの意見を尊重しつつも最初のコンセプトから
外れそうになったらきちんと補正する。印刷も自社で手掛け、使用する紙やインキの香りにまで
こだわる…こんな人に巡り合ったら、他の編集者に頼みたくなくなるだろうな。
かといって頑固で昔堅気というわけでもなく、最新のDTPは勿論取り入れているし、今回特に
取り上げられていた「iPhoneで撮ったドバイの画像の写真集」の製作時にも、そのコンセプトに
見合った様々な案を次々と出してきて、頭の切れる人だなあと感心することしきりでした。
- 作者: Joel Sternfeld,Jonathan Crary
- 出版社/メーカー: Steidl
- 発売日: 2010/09/30
- メディア: ハードカバー
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彼自身は一つ一つの本の個性に見合った装丁を心がけているだけ、なのでしょうが、型にはまった
本が大量に生産され消費される現在ではそれがなかなか難しい。でも意志と才能があれば今でも
それは出来るんだよ、と言われている気がしました。うむ、しかし問題は才能だ…。
「シネフィル・イマジカ」では、たまーにこんな風に日本未公開の優れた作品をひっそり放映して
くれたりするのが面白いです。チェックするのが大変!