「兵士はどうやってグラモフォンを修理するか」(サーシャ・スタニシチ)


図書館にて借出し:


兵士はどうやってグラモフォンを修理するか (エクス・リブリス)

兵士はどうやってグラモフォンを修理するか (エクス・リブリス)


東欧・ロシア・トルコからドイツへ移り住んできた人たちがドイツ語を学び、あるいはその子供達の世代が
ドイツ語を母語として育ち、自分達の両親や祖父母の世代の物語をドイツ語で発表し、それがドイツ語文学に
新たな豊穣の芽を与える…という機会が年々増えているように思われます。


この作品の著者もボスニア出身で、2006年の本書発表当時には大変話題になっていました。若くてイケメン
(というか可愛いね)というのも理由の一つ…ではありますが、今回読んでみて、例え紛争という痛ましい
経験が無くとも、この人は作家として、「物語る魔法使い」として遅かれ早かれ世に出ただろうなと思わせる
豊かな才能を感じました。もちろんまだまだ荒削りですが次回作が楽しみです。