「ディスカウント化する社会」(W・フリッツ、B・ローレンツ、U・ハウザー)


図書館にて借出し:


ディスカウント化する社会―ドイツの小売事情から読み解く

ディスカウント化する社会―ドイツの小売事情から読み解く


ドイツに住んでいれば必ずどこかで世話になる超ディスカウント・スーパー、アルディ(ALDI)。
本書はそのアルディの成功に象徴される<安さ>に対する消費者の感覚の変化や社会の変遷、
今後の傾向などを詳細に分析しています。


私がドイツに居た頃は丁度「Geiz ist geil!(ケチるのはカッコイイ)」とか「Billig, will ich.
(安いものを買いたい)」といったキャッチコピーが飛び交っていて、賢い消費者ほど安くて良いものを
ゲットできる、みたいな雰囲気が確かにありました。それは単純に景気後退から来るものではなくて、
もちろん本当に低所得でディスカウント店でなきゃ買えないという人も居ますが、「ディスカウント化」は
あくまでトレンドの一つの形態であって、ちゃんと分析すれば他の多くの側面が見えてきますよ、というのが
本書を読んでいるうちに理解できてきます。


とにかく出てくる固有名詞が懐かしくて、素人ながらついつい面白がって読んでしまいました。カイザー、
シュレッカー、プラクティカー…。あったあったそんな店、という感覚であります。逆にその辺の知識が
無いと面白くないかも。少なくとも一般向きではないですが、非常に丁寧なマーケティング分析なので
そういうのに興味のある人には参考になると思います。日本の現状とあれこれ比較してみたくなります。


割とこういう「身近な視点で社会分析」みたいな本は好きなので、比較として↓なども読んでみたい:


フランスの流通・都市・文化―グローバル化する流通事情

フランスの流通・都市・文化―グローバル化する流通事情



おまけ:ドイツっぽさ満載のアルディ応援?歌。歌詞はこちらで確認。訛ってますな…。