「反アート入門」(椹木野衣)


図書館にて借出し:


反アート入門

反アート入門


著者の名前だけは良く知っていましたが、読むのは初めて。実は読み方(さわらぎ・のい)も知らなかったし、
男性か女性かも不明でした(男性でした…)。


題名から予想していたものとは違って、私には至極真っ当な現代美術入門書に思えました(特に第2章まで)。
もともと現代美術は既存の「美術」の概念をひっくり返し、それをまた更にひっくり返し…という作業だったので、
当然「反・アート」であるべきものな訳ですが。
でもそんな知的遊戯もそろそろ限界、ということで新たな発想法や試みが色々と紹介されていて興味深かったです。
ただ後半に向かうにつれちょっと宗教がかった、という言い方が大げさならスピリチュアルな方面に話が向かって
いきそうで心配になりました。うーん、ミーハーな私にはそこまで突き詰められない…。


横尾忠則氏の書評↓が、実作者らしい率直さを感じさせて良かったのでリンク:
http://book.asahi.com/review/TKY201008030148.html (朝日新聞書評)