「ワインという名のヨーロッパ」(内藤道雄)


図書館にて借出し:


ワインという名のヨーロッパ―ぶどう酒の文化史

ワインという名のヨーロッパ―ぶどう酒の文化史


元来酒好きなのでこの手の題名の本はついつい読んでしまうのですが、単なる「ワイン絡みのウンチク」に終わらない
著者の幅広く(先史時代から始まっている!)しかも奥深い語りに惹き込まれて読んでしまいました。
宗教との関連が強かった古代から、戦士の意欲向上のためにワインが必須だったローマ帝国時代、それから政治的利用
(接待酒)や経済的要素など、欧州の歴史の中でワインが果たしてきた役割をさりげなく提示してくれます。


著者は本当にワインがお好きのようで、註釈でのぶどう種の詳細な説明など飲んで調べてまた飲んで…を繰り返してないと
書けないような実感がこもっています。かなーり共感します。
文章自体もとても読みやすいので、ワイン好きにも歴史好きにも楽しめる一冊だと思います。