「Good Hair」 (2009)


TOKYO MXの「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」は興味深いドキュメンタリーを紹介してくれるので放映開始からずっと観ているのですが、
先日放映したこれ↓は特にツボにはまりました:


Good Hair [DVD] [Import]

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確かに最近アフロヘアの人って海外メディアでも見かけないなあ、とは思っていましたが、日本人の体格が最近西洋人化してきたみたいに
向こうの人の毛質も変わってきたのかな?なんて安易に考えておりました。浅はかでした(恥)。
そこにはサラサラヘアに憧れる女性達の驚くほどの執念と、それに目をつけたヘアケア業界の大いなる企みがあったのでした。



私も一応女性なので「綺麗になるためにはこのくらい頑張らなきゃ」という気持ちはある程度は理解できますが、いやーそれにしても
そこまでやるかーと驚きの連続。アフロヘアに関しては歴史的背景(一時期過激派黒人のシンボルだったので逆に今は否定的な見方が
強まっている)もあるだけに事情は更に複雑です。
ウィーヴ(日本でいうエクステ)の元になっているのがインドで神に奉納された剃髪だというのもスゴイ話です。虚栄心を絶つために
剃られた髪が世界を回りまわって新たな虚栄心の道具となっているというのは、なんともやりきれない。


進行役のクリス・ロックはさすが一流のコメディアン、切れのあるユーモアと風刺で関係者から巧みにコメントを引き出しています。
実際の美容院で一般人と交わされる「リアル床屋談義」なんてみんな本音丸出しすぎて聞いてて大笑いでした。
こういった作品がローカル局の深夜TVで簡単に観れるなんてちょっと贅沢すぎるなあ…ぜひ日本語版のDVDを出すなりして
もっと多くの人に観てもらいたいものです。