ドイツ映画祭2009 その2


16日は2本観賞しました:


「冬の贈りもの」Im Winter ein Jahr 10月16日(金)13:20-


点子ちゃんとアントン」「名もなきアフリカの地で」などで日本にもファンが多いカロリーネ・リンク監督の新作:



息子の突然の死によって「幸せな一家」を演じていた家族がバラバラになり、それぞれ自分を見つめ直すという筋書きは
ありがちではありますが、やはり色々考えさせられるものがあります。この作品では母親が、死んだ息子と別居中の娘の
両方を描いた肖像画を画家に依頼する、というのが特異な点で、そのため娘は画家の元に幾度も通い、語り、描かれる事で
死んだ弟への隠された感情(愛情も妬みも含めて)を自覚していくことになります。その過程が真摯に描かれています。
彼女の感情の揺れに2時間以上じっくり付き合うのは正直かなり疲れましたが、噛みしめ甲斐のある映画でした。


一方の画家の側にも自分の家族に対してある負い目を抱いているのですが、こちらの方は描き方がちょっと中途半端だったかな、
という気もしました。まあこれ以上時間を割いたらそれこそ超大作になっちゃうから仕方ないのか…個人的には「地中海男」クンが
その分出過ぎなんではと思ったりもしました。


序盤の会話の中でポッとピーター・ガブリエルの名前が出てきたので、おっ曲がかかるのか?と思ったら、その場ではかからずに
終盤の感情的なクライマックスの場面で彼の曲「Signal to Noise」が印象的に使われていました。ピタガブの曲は既存曲も含めて
本当に映画に良く使われます。(この曲も既にスコセッシの映画「ギャング・オブ・ニューヨーク」に使用されていたはず)
彼の曲が映画内でかかると私なんて、そこまで観た内容は全て忘れて、みんな「名画」に記憶が塗りかえられちゃいます。ずるいな!




こちらはライブでの演奏。ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンが出てるって事は10年以上前のものですね(ピタガブ髪の毛あるし…)。


UP

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収録アルバム。地味渋だけど好き…(と言いつつこの曲の事はすっかり忘れて「あれ?新曲?」とか思ってました。恥ずかしーい)


母親役のコリンナ・ハーフォウヒは、私は勝手に「ドイツのグレン・クローズ」と呼んでますが、クールな大人の女性の魅力があって
結構好きな女優さんです。ヒロインの女の子はメイク次第では「ドイツのジュリー・デルピー」になれそうなんですが、うーん、
肌のアップは正直きつい…。