ドイツ映画祭2009 その3


ヒルデ −ある女優の光と影」 Hilde 10月16日(金)16:20-



第二次大戦中の1943年にデビューし、様々な浮き沈みを経験しながら故国ドイツと米国で成功を収めた女優・歌手の
ヒルデガルト・クネフの半生を映画化したもの。同じような境遇としてすぐ思い浮かべるのはディートリッヒですが、
ディートリッヒが大戦前に早々と米国に渡っていたのに対し、ヒルデの方はまだ若くて実績も無く、加えてナチ要人と
愛人関係にあったことから戦後の活動にも色々障害が伴ったそうです。


映画を見る限りでは性格もかなり強烈そうで、いかにも「私は女優なのよー!!」といった振る舞い多数。
個人的にはお友達になれそうにないタイプ。しかし良くも悪くも自分の欲求に忠実に生きてきたその強い意志が、
映画終盤で披露される自作の歌詞に反映されていく辺りがとても感動的でした。生前から毀誉褒貶の激しい人で、
加えてこれといった名画にも出演していないため、今ではドイツでも知る人が少なくなっているという彼女ですが、
それでも↓の曲は結婚式で歌われる歌として非常に良く知られているそうです:



パンク?ヴァージョン↓のPVには本人も出演:



演じた女優さんのハイケ・マカチュは美人と呼ぶには目と口が大きすぎる…という気がいつもして、あまり好きでは
なかったのですが、今回は自分で歌まで歌って大健闘。1年以上ヴォイス・トレーニングに励んだそうで、ドイツでは
この映画と連動してヒルデの曲を集めたCDも出しているそうです。彼女にとっても重要な映画になったことでしょう。



私の映画祭はこれでおしまい。夢のような2日間でした。ドイツつながりで会場で知人・友人とお話できたのも
嬉しかったです。来年も良い映画と良い人達に会えますように。