「フランスの伝統色」(城一夫)
図書館にて借出し:
- 作者: 城一夫
- 出版社/メーカー: ピエ・ブックス
- 発売日: 2008/11/26
- メディア: ペーパーバック
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私が色好みという話は以前にも書きましたが、そんな私にピッタリの本でした。
説明とともに示される繊細で美しい色の数々、およそ270種類。フランス語名に加え日本語名と英語名、更に巻末にはCMYK値、
RBG値、Web値まで記載。なんて実用的な…!
併載されている写真も美しいし、なにより簡潔ながら奥が深い説明文に飽きることがありません。例えば;
●フーイユ・モルト 枯葉色
Feuilles mortes : Autumn leaf
落葉色を意味する英語のAutumn leafに相当するフランス語の色名。『カラーアトラス』によれば、英語の色名が
1892年に初出であるのに対して、フランス語のフーイユ・モルト(Feuilles mortes)は、それより早く1640年に
色名として用いられている。フランスの象徴詩人ヴェルレーヌの「落葉」や1950年代のイヴ・モンタンのシャンソンの
名曲「枯葉」(Les Feuilles mortes)が懐かしく思い出される。
うーん渋い。かと思えば
●キュイッス・ドゥ・ナンフ 妖精の太腿
Cuisse de Nymph : Hymph's thigh
キュイッス・ドゥ・ナンフ(Cuisse de Nymph)は「妖精の太腿」の意味。変な色名だが、それを連想させる淡い
ピンク色である。18世紀フランス・サロンではピンク色が大流行し、それを形容するのにいろいろな表現がなされた。
ヴァントル・ドゥ・ビッシュ(Ventre de Biche 雄鹿の腹)やフェス・ドゥ・フィーユ(Fesses de Fille 娘の尻)、ヴァントル・
デプーズ(Ventre d'Epouse 妻の腹)などの非現実な色名を作り、女性の淡いピンク色の肌色のバリエーションを
楽しんだと思われる。
あらまあ艶っぽい。
食物や自然から採った色名が勿論多いですが、「●ルージュ・ディオール」「●ブルー・ドゥ・ピカソ」のように画家やデザイナーの用いた
代表的な色が名前として定着しているところにフランスらしさを感じます。
いつまでも手元においてニヤニヤ眺めていたい一冊。
- 作者: 浜田信義
- 出版社/メーカー: ピエブックス
- 発売日: 2007/03/30
- メディア: ペーパーバック
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これも要チェックかな…。