「夜想曲集」(カズオ・イシグロ)


図書館にて借出し:


夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語

夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語


英国で5月に新作が出るという話を聞いて、ペーパーバック化されるころには翻訳も出ちゃうかな…と思っていたら
それどころじゃないよもう出ちゃったよ!と少々焦り?ました。まあイシグロ氏の場合、日本での出版社&翻訳者は
いまやほぼ固定化されているので交渉もスムースなのでしょう。ちゃんと売れるし。


全5編が収録された短編集。相変わらず空気が読めないというか己を知らない登場人物がわらわら出てきて思わず
ニヤニヤしてしまいます。だから「信用できない語り手」って言われちゃうんだよ!!かなり意地悪な話揃いで
好き嫌いはともかく手堅く読ませます。後半にいくほどヘンテコ度が増して私好みになってきました。


ただあんまり話そのものが音楽的、というわけではなかったような気がしました。これは音楽の趣味の違いとか、
私自身に音楽的感性がないことからそう感じるのかもしれませんが…。