「アフター・レイン」(ウィリアム・トレヴァー)


図書館にて借出し:


アフター・レイン

アフター・レイン


なぜか最近翻訳ラッシュとなったトレヴァーの短編集新刊。夫婦や親子もしくは家族といった、好む好まざるに関わらず
持続的に関係を続けていかなければならない人達の心をよぎる影に、思わず身震いしてしまいます。
しかもそれが激情ではなく、あくまで諦念として描かれるところが一層恐ろしく感じられるのでした。


しかし「アフター・レイン」って書名としては無粋だな、せめて普通に「雨上がり」じゃ何故いけないの?と思っていたのですが
読んで気づいたのですが表題作は「聖母の贈り物 (短篇小説の快楽)」でそれこそ「雨上がり」として訳されていたものだったんですね。
先駆者に配慮(遠慮?)してこういう題名にしたのでしょうか。でもこれはちょっと勿体ない感じ…。