「帰郷者」(ベルンハルト・シュリンク)


図書館にて借出し:


帰郷者 (新潮クレスト・ブックス)

帰郷者 (新潮クレスト・ブックス)


長編としては「朗読者」以来の新作。色々書きたいことを詰め込みすぎて焦点がぼけてしまったところがあるし、物語の起点になる
小説内小説が全く面白くない…とは感じましたが、戦後に名を変え国を変えて成功した元ナチス関係者達の変遷を「オデュッセイア」に
なぞらえるという視点は興味深かったので、その点に絞ってもう一度読み直そうと思っています。


Shroud (Cleave Trilogy)

Shroud (Cleave Trilogy)

これもまた戦後に名を変えてアメリカに渡った男の物語。やはりポール・ド・マンがモデルでは、と言われています。



ところで「朗読者」の映画(ハリウッド製)は米国で限定公開が始まりました(一般公開は来年から)。キャスト・スタッフも
なんだか豪華だし評判も悪くないみたいです。あんまりメロドラマちっくになり過ぎてないと良いけど。



●映画公式サイト(米国):http://www.thereader-movie.com/


主人公の若い頃を演じているのは先日ドイツ映画祭で観た「クラバート」で主役だった少年。売れてますねえ。



●追記:映画の邦題が「愛を読むひと」と知って愕然…えーあれだけ原作が売れたんだから「朗読者」でガチだと思ってたのに!
一気に観る気なくす…。(13.Jan.2009)