「カーヴの隅の本棚」(鴻巣友季子)


図書館にて借出し:


カーヴの隅の本棚

カーヴの隅の本棚


読む前は所謂「ワインうんちく本」の類だと思っていましたが、実際は文学作品の創作・翻訳過程あるいは鑑賞方法を
ワインの製造・醸造過程や味わい方になぞらえたエッセイで、ワインはあくまで文学を語る際の前振りというか比喩というか、
どうしてもワインでなければいけないという必然性は、実はあまり無いような気がしました(いや勿論著者本人にはあるでしょうが)。


こういう組み合わせで一冊出せるほどワイン通と文学愛好者はかぶっているのか?それともあくまでhappy fewのためのエッセイなのか?
私には今ちょっと見極めがつきません。これからどんな感想が出てくるか、しばらくネットをチェックしていきたいと思っています。


ワイン云々を抜きにすれば重訳(オランダ語→英語→日本語)や再訳(日本語→英語→日本語)の話などが興味深かったです。
著者は時にオランダ語からの重訳を手がけてらっしゃいますが、それはある程度オランダ語もお分かりになるという事なのでしょうか。
ノーテボームなんか重訳でも良いからもっと訳されてほしい!と思ってしまいますが…。


これから話す物語 (新潮・現代世界の文学)

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