「影の歴史」(ヴィクトル・I・ストイキツァ)


図書館にて借出し:


影の歴史

影の歴史


絵画に描かれる影に焦点を当てたちょっとした技術論くらいに考えていたら、とてつもない!傑作でした。


あとがきにもあるように「美術史や美学はもちろんとして、神話、文学、哲学、博物学、魔術、科学史、心理学など、
『影』とその表象に関連しておよそ考えられうるあらゆる領域を自在に横断しながら、著者は、たんに美術作品の解釈には
終わらない『影の人類学』を、本書で初めて打ち立てることに成功している」(p.340)のです。
その守備範囲の広さと深さ、視点の鋭さにエエッこんな見方もあるんだ!と目からウロコがぼろぼろ落ちました。
あまりに相手が巨大すぎて、ろくな感想が書けない…情けない…。


訳者の一人である岡田温司氏は今年大活躍で、著書でも訳書でも出す本出す本、みんな読み応えのある力作ばかり。
どれを読んでも外れがありません。すごい。


イタリア現代思想への招待 (講談社選書メチエ) フロイトのイタリア―旅・芸術・精神分析 肖像のエニグマ―新たなイメージ論に向けて スタンツェ―西洋文化における言葉とイメージ (ちくま学芸文庫)

前2冊は既読。後ろ2冊はこれから。がんばらないと!