「オランダの光」(2003)
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レンブラント、フェルメールを始めとする17世紀オランダ絵画隆盛の理由の一つには、その地特有の「光」が
関係するのではないか?という問いかけから始まるドキュメンタリー。解説よりも映し出されるオランダの風景の
美しさをじっくり堪能する、絵画ファン向けの環境ビデオかコンセプチュアル・アートのような作り
(途中ちょっと寝ました…)。
地平線が強調される平坦な地形、めまぐるしい気候の変化に伴い導かれるドラマティックな陰影、平地ゆえに多分に
湿気を含み、光の反射を複雑にする空気…そのような地に身を置いた画家達が影響を受けるのは間違いないでしょう。
あまりワクワク感はないですが、とにかく映像が綺麗なので損した気分にはなりませんでした。寝た部分は巻き戻して
観ればいいんだし。
ところで先日、実家に戻った折に昔買った「BRUTUS」誌のフェルメール特集号を引っ張り出してみました。
1996年の発行。当時ハーグにてフェルメール作品を23点集めた一大フェルメール展が開催されており、それに合わせて
特集が組まれたものです。目玉は誌上全点踏破(と実行する人のための美術館ガイド)。
今でこそ全点踏破!と皆さん騒がしいですが、当時(少なくとも雑誌で)誌上全点踏破を謳ったのは結構斬新というか
お得感があったと記憶しています。最近出た芸術新潮とほとんど内容が変わらないです。まあ今更新しい切り口も無いか…
という気もしますけど…。
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そのBRUTUS号内のインタヴューで内館牧子氏が「フェルメールは日本人にはマニアックすぎて受けない」みたいな発言をしていて
うーんそういえば1996年当時はそういう認識だったかも?と確かめたい気持ちになっていたら、折り良くこの「芸術新潮」↑に
「フェルメール来日記録簿」という面白い記事が乗っていました。パラッと立ち読みだったので定かではないのですが、日本で
フェルメール作品を売りにして爆発的に来場者数が増えたのは2000年以降、というデータだったと思います。
それが今じゃ超売れっ子になっちゃって…。
同じBRUTUS号にはグリーナウェイのインタヴューも載っていて「あんまりレンブラントは好きじゃない」みたいな発言をしていた
のがちょっと面白かったです。そんなこと言ってもちゃっかり映画作っちゃうんだから!あまのじゃく!
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フェルメールへの強烈なオマージュが観られる作品。好きです…。