「サーカス象に水を」(サラ・グルーエン)


図書館にて借出し:


サーカス象に水を

サーカス象に水を


米国では昨年、口コミで息の長いベストセラーとなった小説。
舞台がサーカスとなると、ついつい点が甘くなります。特にこの小説で取り上げられているのは
特別に仕立てた専用列車で地方を巡る大規模な「レイルロード・サーカス」。これが中々面白い。
かなりあくどいその経営方法や大恐慌当時のシビアな現実も描かれているので、未熟な主人公の成長物語が
甘々の夢物語にならずにバランスの良い内容になっています。現在との接点もきちんと描かれていて
好感度高し。積極的オススメではないけれど、読んだらちゃんと満足できる作品だと思います。


主人公が恋するマーリーナの夫・オーガストの複雑な性格は「ソフィーの選択」のネイサンを
ちょっと思い起こさせました。主人公との一種奇妙な三角関係状態も似ているし。ユダヤ人って皆
精神分裂気味なのか…とつい思っちゃいました。



ソフィーの選択 オリジナル・サウンドトラック盤

ソフィーの選択 オリジナル・サウンドトラック盤


小説は入手不可、映画はDVDも出てないんですねービックリ。