シンポジウム「世界の文学とラテンアメリカ」(於:東大)
当日朝にmixiをチェック中に気づいて、慌てて参加決定:
「現代文芸論研究室主催 世界の文学とラテンアメリカ」
日時:2008年6月29日(日)・15時〜17時30分
場所:東京大学法文2号館2階 1番大教室(本郷キャンパス)
パネリスト:野谷 文昭(ラテンアメリカ文学)/柴田 元幸(アメリカ文学)/沼野 充義(ロシア東欧文学)
特別ゲスト:桜庭 一樹(作家)
●詳細:http://www.l.u-tokyo.ac.jp/genbun/latinamerica.html
前半は桜庭氏と野谷氏との対談、後半は4人でのディスカッション&質疑応答。
前半の話の中心は桜庭氏の「赤朽葉家の伝説」と、執筆の際影響を受けた南米文学の関係について。
私は桜庭ファンではないし「赤朽葉家」も読んでないので全てを理解できたわけではないですが、
内容は「ユリイカ」3月号での鼎談とかなりダブる印象。「ユリイカ」未読の人and/or桜庭ファンには
かなり面白かったのではないでしょうか。私も「赤朽葉家」を一応読もうかなとは思いました。
(「七竃」「私の男」は既読…あんまり合わなかった…)
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鋭い読み手&書き手の嗅覚を働かせて面白い小説を掴み取る桜庭氏の発言を、他の三人が学術的裏づけで
補完する感じで進行した辺りが特に興味深かったです。例えば「赤朽葉家」の参考として桜庭氏が「百年の孤独」
「精霊たちの家」「赤い薔薇ソースの伝説」に加えてウルフ「オーランドー」を挙げたことに対し、野谷氏は
ガルシア=マルケスがウルフ作品をよく研究していた事実を伝える、といったように。
とはいえ、桜庭氏も「赤朽葉家」は偶々南米文学を参考しただけで、他の作品では全く別の書き方を試しており、
「赤朽葉家」も特にサーガとして更なる展開は考えていないということなので、話題がそこから大きく広がらずに
ぐるぐる同じところを回っているという感じもしました。結局のところ行きついたのは、
「『百年の孤独』って、そしてガルシア=マルケスってやっぱり凄いなあ(しかもまだ生きてるし!)」
ってとこでしょうか。まだ生きているのに既に伝説の人…って南米って神話になるの早過ぎ!というオチ?が
可笑しかったです。刺激的とまでは言えないまでも退屈しない内容でした。
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夏樹ちゃんがコレを書いたときに、果たしてどれだけの人がこれくらいチヤホヤしてくれただろうか…。