「On Chesil Beach」(イアン・マキューアン)


2007年ブッカー賞候補作:


On Chesil Beach

On Chesil Beach



1962年、結婚初夜を迎えた1組の男女。この日まで純潔を守っていた二人の胸にわだかまる不安と焦燥が、やがて…。


えーと…描写がかなり綿密だということもあって、読んでてちょっと恥ずかしかったです。私には苦手なタイプの作品だなあ。


結婚当日の男女の不安定な心理状況から、遡って二人の生い立ちから馴れ初め、結婚までの過程をぎゅっと濃縮した筆致で
描いていく上手さはさすがマキューアン。でも締めの部分が男性側の視点からしか語られていないのが残念。それまでは双方の
視点が交差していたからバランスが取れていたと思うのですが。


ちょっとしたプロモーション映像も用意されています:



Chesil Beach の美しい画像はBBCのフォト・ギャラリーなどでどうぞ:
http://www.bbc.co.uk/dorset/content/image_galleries/chesil_gallery.shtml



しかしここから10年くらい経つと「素粒子」の乱痴気騒ぎが始まるのか…と思うと時の流れの凄まじさを感じますです。