「犬身」(松浦理英子)


古本にて購入。普段なら図書館で借りるのだけれど、さすがに50人待ち以上になると…:


犬身

犬身


自分は人間よりも犬の方が向いているのではないか、ひょっとして性同一性障害ならぬ種同一性障害?などと
考えてしまう房恵。仕事の関係で知り合った梓という女性とその愛犬・ナツの強い絆を目にしているうちに、
「私もこの人の犬になりたい、犬になってこの人に可愛がられたい」という欲望を(倒錯した比喩ではなく
全く文字通りの意味で)抱くようになる。そんな時、奇妙な男・朱尾が房子に近づいてきて…。


いやーうちにも半分ネコみたいなのが居ますしね。一応ネコ派だけど犬だって好きだし、ドイツに居たころは
それこそ「犬浴(道端の犬ウォッチング)」を堪能してましたので、小道具まで犬づくしの展開はとっても
楽しめました。後半になって梓の異常な家族関係に重心が移ってしまったのが残念。それにあくまで房恵には
人間としてのドッグ・セクシュアリティを探求して欲しかったんですが。でも読みやすいし面白かったです。




ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)


「犬目線」小説だったらこっちの方が好きかな…。