バンヴィルさんも来た


先日読んだウィリアム・トレヴァー(『聖母の贈り物』)と同様、ジョン・バンヴィルも最近さっぱり
翻訳が出ないアイルランド作家で、やっぱり日本ではこういうのは売れないのか…orzと思っていたら
遂に出ました!しかも少し前には旧作『バーチウッド』まで出て、さすが恐るべしブッカー賞効果:


海に帰る日 (新潮クレスト・ブックス)

海に帰る日 (新潮クレスト・ブックス)


少し前までは「早川からバンヴィルが出るらしい」という情報しか無く、てっきりこれがそうだと思っていたので
新潮クレストブックスからと知ってちと意外。
ただ原書読了時の感想にも書きましたが、これは筋よりもむしろ文章そのものを味わうタイプの作品で
普段のバンヴィルの衒学的な作風よりはかなり地味渋なので、そう考えるとクレストって選択は悪くないかも。


しかし宣伝の文章に「カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を抑えて堂々受賞!」みたいなことが
書いてあって、なんか笑っちゃいました。そういう便乗商法で来るかー。



スパイたちの夏

スパイたちの夏

「少年の夏の日」回想つながりで選んでみました。こちらは2002年ウィットブレッド小説賞受賞作。