「A Spot of Bother」(マーク・ハッドン)


先日の古本市購入本(ちなみに5ユーロ):


A Spot of Bother

A Spot of Bother

(PB版:asin:0099506920



早期志願退職でこれからは悠々自適の老後を送るつもりだったジョージ。しかしちょっとしたことから
自分はガンではないかと疑い始め、老いや死に怯えはじめる。さらに妻の浮気、娘の再婚、
息子との不和などからどっぷり鬱にはまりこんでしまった。
度重なるジョージの奇矯な言動に振り回される家族。果たして娘の結婚式までに全てはうまく納まるのか…。


地味だけど丁寧に書かれた家族小説。ジョージを含め、自分は大真面目なのに他人にはさっぱり理解できない、
といった認識のズレから巻き起こる悲喜劇が、説得力を持って描かれている。


ただし前作の自閉症の天才・クリストファー君のような印象的なキャラが一人も出てこないので
どうしても全体の印象が薄いというか、今ひとつアピール性に欠けるというか。
積極的には薦めないけど、機会があったら読んでみて損はしないんじゃないかな、という感じです。


よく分からなかったのは娘の再婚相手のレイが、ジョージ一家の中では「頭悪い&鈍い=娘には釣り合わない」
相手として終始扱われてるんだけど、私にはこのレイが一番気が利いて優しくて思いやりのある人に見えるんですが。
まあこれは家族中が皆でテンパっちゃう話だから、対照的にそう思えるのかな?




夜中に犬に起こった奇妙な事件

夜中に犬に起こった奇妙な事件

大ヒットの前作。新装版は大人でも手に取りやすい装丁で、購買層拡大を狙ってますな。