「ゆれる」(2006)


日本人向けレンタルDVDショップにて借出し。今年は邦画もなるべく沢山観ようと思ってるのです。
ちなみにこれが初オダギリジョー(こっちじゃCMも観れないしね):


ゆれる [DVD]

ゆれる [DVD]


冒頭のガソリンスタンドでの「致せり尽くせり」なサービス振りが、
普段欧州のセルフ(&無愛想)サービスに慣れている私には何だか新鮮で
そこから必要以上に「ああ日本だなあ」と感じ入ってしまった気もします。
実際にはこういった兄弟の確執は万国共通のはずですが。
(思い切りハリウッド&ガーリーにすると「イン・ハー・シューズ  [DVD]」になったりして?)


全体的には緊張感の溢れる良い作品でしたが、終盤「7年後」の展開は
私にはちょっとしっくりいかないというか…。
弟よ、それはちょっと ゆ れ す ぎ だ! 


(以下文字色反転)
最後の裁判で「自分の兄を取り戻すために真実を証言する」みたいな大見得を切っておいて
刑期終了間際に「あれ?やっぱ俺の勘違い?」では取り返しがつかないというか、あまりに
お兄ちゃんがカワイソな人になってしまって兄弟の確執のバランスが悪すぎるような。
どうせなら殺人と思いつつ事故と証言して、でも偽証の罪悪感から疎遠になったけど
後で8mmを観て…ぐらいに留めてほしかった。あれで家に帰ろうと言われても…。


あの「傷」の意味がはっきりしないことが解釈に一層曖昧さをもたらしている訳だけど
兄にも女性の死体にも傷があった(よね?)のは事実なんだから、そこが裁判で一切
触れられていないのも不自然じゃないかなあ、とも思いました。


それにしても兄役の香川照之さんの演技は強烈。
どこぞのサイトに「日本のケビン・スペイシー」って書いてあって笑っちゃったけど
あの演技があってこそ成り立った映画のような気がしました。いやはや。