「スコットランドの黒い王様」(ジャイルズ・フォーデン)


映画化されて話題なので読んでみました。
日本人向け図書室にて借出し:


スコットランドの黒い王様 (新潮クレスト・ブックス)

スコットランドの黒い王様 (新潮クレスト・ブックス)


●日本映画公式サイト:http://movies.foxjapan.com/lastking/


70年台の不安定なウガンダ政権を背景に、ふとしたことからアミン大統領の主治医と
なってしまった若き医師の当惑と恐怖が虚実入り乱れた中で描かれる。


主人公のお医者さんがとってもへなちょこの情けない奴で、まあ恐怖政治の只中にいたんだから
仕方ないんだけど、これじゃあアミンが多少魅力的に思えてもしょうがないかもね。
歴史を知る上では興味深かったけど、小説としてはどうかな…少なくとも医者の恋愛部分は蛇足。
映画も多分フォレスト・ウィテカー演じるアミン大統領の独壇場なのでありましょう。
ウィテカーって笑うと垂れ目で鶴瓶そっくりなのにここでは全く別の顔。さすが役者さんであります。


The Last King of Scotland  (怒らせると怖いんだっ)


なんでアフリカなのにスコットランドが出てくるかと言うと、ウガンダも以前は英国植民地だったので
同じ立場(ちょっと違うけど…)のスコットランドアミンは同朋意識を抱いていたらしい。
スコットランドの王様になってやってもいい」みたいな発言は実話らしいです。ううむ。


アミンと言うと何故かすぐ「人食い」と連想してしまうのだけど、今回ネットで調べてみて
そういうタイトルの映画があったことを思い出しました(未見ですが)。
他にも猪木と対戦予定があったとか↓、これ本当ですか?正に小説より奇なり。


●「映画 ラスト・キング・オブ・スコットランド」(中村雅人の「天気晴朗なれど波高し」)
http://blog.livedoor.jp/masahitovolvo/archives/50715928.html
格闘技のファンタジーは時にマジック・リアリズムを凌駕する…のかもしれない。


●「イディ・アミンの死」(「ダルエスサラーム便り」根本利通氏)
http://jatatours.intafrica.com/habari18.html
こちらはアフリカ研究者の真面目な考察。


【追記】映画予告編の映像を見て思ったのだけど、青年医師役の人って「動物のお医者さん」の
二階堂に似てるなあ。二階堂も長いものに巻かれるタイプだし案外ピッタリかも。
(そうすると漆原教授=アミン大統領ですか?似合いすぎる…)