「灯台へ」(ヴァージニア・ウルフ)


著者自身の幼年期を基にした、極めて美しい追憶の記:


灯台へ (岩波文庫)

灯台へ (岩波文庫)


今はもういない、常に美しく優しかった母親、傲慢だが魅力的な父親への思慕が切々と伝わってくる。
その傍らで、胸のうちには確かにあるのだけどどう表現していいのか分からない、そんな想いをそれでも形に残そうともがく「表現者」としての苦しみも綿密に描写される。


いつまでも心に留めておきたい一冊。