「あなたになら言える秘密のこと」(2005)


いつのまにかこんな邦題がついていました。原題は「The Secret Life of Words/LA VIDA SECRETA DE LAS PALABRAS」。


レンタルDVDにて観賞(英語音声・英語字幕)。日本では2007年新春公開予定。
監督は「死ぬまでにしたい10のこと」のイザベル・コイシェ(コヘット)。


●日本公式サイト:http://www.himitsunokoto.jp/


他人と距離を置いて黙々と暮らしている女性・ハンナは、勤め先から強制的に取らされた休暇中に、ふとしたことから海に浮かぶ石油採掘場で大火傷を負った男・ジョセフの看護をすることになる。離れ小島のような採掘現場で働く男たちは皆、少し世の中からはみだしている。そんな人達と囲まれて過ごすうちにハンナの心境にも変化が…。


うわ…。終盤でハンナが語る「秘密」があまりにも重くて、それまで丹念に描かれていた採掘現場の不思議な空間も一気に後方へ退いてしまいました。
もちろんその告白(とその後のカウンセラーの言葉)こそ監督が最も言いたいことだったのでしょうし、それはそれでしっかり受け止めたのですが、それでもちょっと勿体ないと言うか、収まりが悪いと言うか。


話運びが上手いとは思わないけど、それでも良いところは沢山あるのであまり批判はしたくないな…というのが正直な感想。特にジョセフ役のティム・ロビンスはほとんど寝たきりなのに声と表情だけでも素晴らしい演技で、久々に「良い役者さんだなー」と再確認しました。最近観た「宇宙戦争」ではヘンなオヤジ役でがっかりしたから余計にね(笑)。




イギリス人の患者 (新潮文庫)

イギリス人の患者 (新潮文庫)

全身火傷の患者と心に傷を持つ看護婦、という組み合わせで連想したのがこちら。映画はややメロドラマ調になっていましたが、原作はもっと詩的で深遠です。