「灰色の魂」(フィリップ・クローデル)


2003年にフランスでベストセラーとなった作品。ドイツでもそこそこ話題になったので、日本語訳を読んでみました:


灰色の魂

灰色の魂


イギリスの小説を読むと、第一次大戦が彼らに与えた心理的打撃の大きさに息をのむことが多いのだけど、これを読む限りではフランスのトラウマもかなり深刻そう。第一次どころか第二次大戦も知らない世代の若い作家ですらこういう話を書けてしまうところが凄まじい。日本だとどうしても第二次大戦の方に重点を置いてしまうけどね。


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そういえば映画「ロング・エンゲージメント」の戦闘描写も激しかった。こちらも第一次大戦のトラウマを扱っているという意味でかなり印象がダブる(「灰色…」に不思議ちゃんは出てこないけど)。
「灰色の魂」自体には具体的な戦争場面はほとんどないのだけど、周囲から恐怖がじわじわと押し寄せてくる重苦しさが全体を支配している。


フランス本国では既に昨年、映画が公開されたそうな:
●公式サイト(仏):http://wwws.warnerbros.fr/lesamesgrises/


うわー、激シブ?