「きたれ、甘き死よ」(ヴォルフ・ハース)


最近出た新作のプロモーションで著者がTVに出ていたのですが、なかなか面白そうな人だったのでサクッと調べてみたら唯一の翻訳がこれ。というわけで取寄せて読んでみました:


きたれ、甘き死よ (現代ウィーン・ミステリー・シリーズ)

きたれ、甘き死よ (現代ウィーン・ミステリー・シリーズ)

●訳者による解説「異色作家・作品紹介 W・ハースの探偵ブレナー・シリーズ」
http://homepage2.nifty.com/yoshi_fukumoto/haas.html


本来は厳粛に扱うべき「殺人」という題材をあえて軽妙な語り口でまぜっ返すという、ある種の確信犯的な不謹慎さが独特の効果を挙げていて、ミステリ読みじゃない私にもなかなか面白く読めました。でも、こういう諧謔的な語りは日本語にするのが難しそう。




Das Wetter vor 15 Jahren

Das Wetter vor 15 Jahren


ドイツ語圏では、ハースと言えばこの「探偵ブレナー」の人のイメージが強いようですが、今回の新作は恋愛小説!ただしやっぱり一筋縄ではいかない語りはこちらでも健在のようで、好き嫌いは分かれるだろうと紹介している記事もありました。私としてはミステリよりむしろこっちの方を読んでみたい。



好き嫌いといえば、新刊書評誌「buecher」で作家が自分の「好きなもの、嫌いなもの」を5つずつ挙げるというコーナーがあるのですが、最新号のゲストがこのハース氏で、これが思わず吹き出しちゃう回答だったのでした:


◎好きなもの:「朝食/昼食/おやつ/夕食/夜食」
◎嫌いなもの:「気取り屋/凝り性/趣味人/ワイン通/知ったかぶり(一部意訳;原文は Raffinement/Virtuositaet/Geschmack/Weinkennerei/Klugscheisserei)」


うーん、やっぱりおもろい人だわ…注目注目。