「文盲」(アガタ・クリストフ)


日本人向け図書室より借出し:


文盲 アゴタ・クリストフ自伝

文盲 アゴタ・クリストフ自伝

スイスに来て5年経った。わたしはフランス語を話す。けれども、読むことはできない。文盲に戻ってしまった。四歳で本を読むことのできたこのわたしが。(p.86)


…短い。
短すぎるよ!もっともっと読ませてよ!…と叫んでみたところで、ストイックなこのアガタさんが散漫な文章を垂れ流すわけも無し。
でも読みたいんだよう。これだけじゃ15分で読み終わっちゃうよ。


そんな短いテキストの中でトーマス・ベルンハルトの作品を絶賛しているのがとりわけ印象に残った。
そういえば昨年ベルンハルトの「消去」を読んで、この衝撃度は「悪童日記」に匹敵するなあーなどと深く感じ入ったのだった。思わぬところに接点を見つけてニヤリ。


消去 上

消去 上


消去 下

消去 下


悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)