「死の泉」(皆川博子)


日本人向け図書室にて借出し:


死の泉 (ハヤカワ文庫JA)

死の泉 (ハヤカワ文庫JA)


先日読んだ「総統の子ら」と舞台・時代はほぼ被っているが、こちらはナチスの人体実験、カストラート、地下の実験室といったヤバいアイテムがずらっと揃った奇想小説。現実からかけ離れていく分、「お話」としてある意味気軽に楽しめる。
浦沢直樹「MONSTER」をちょっと思い出した。


最後の曖昧、というか多数の解を暗示する終わり方はミステリとしてはあまりすっきりしないな…まあ私はミステリ読みではないので、それまでの妖しい雰囲気を堪能できればそれで良いのですが。


余談だけど、単行本版にあったドイツ語の初歩的文法ミスは文庫版ではちゃんと直っているようで良かった良かった。駄目だよそんなところばっかり気にしてちゃ!?いや、これもトリックの一部なのかと思ったんですよ…。