「イエスのビデオ」(A・エシュバッハ)


ドイツ発のSFってどんなもんかいな、と思って読んでみました:


イエスのビデオ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

イエスのビデオ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)


イエスのビデオ〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

イエスのビデオ〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

なんだこのバタ臭い表紙はー?



ビデオカメラを持って過去へタイムトラベルに行けるとしたら、一体誰を写す?
こんな問に、この小説は速攻で答を返す:イエス・キリスト!」


そ、そうなんだ……?そういう発想は全くなかったのでびっくりしました。
私が信者じゃないから?でもじゃあ、お釈迦様や天照大神を撮ろうなんて思うかな?あんまり思わないなあ。


この問いかけのみがSF的で、あとはむしろインディ・ジョーンズみたいなノリでがんがん話が進む。よく見ればハヤカワはハヤカワでもSF文庫ではないもんね。まあエンタメとして読む分にはそこそこ楽しいんではないでしょうか。後半の展開がやや雑な気もしましたけど。


ドイツではTV映画が製作されて、DVDが出回っているので今度冷やかしで観てみようと思います。

Das Jesus Video. Filmbuch.

うーん主人公、カッコ悪い…。



著者はドイツでは非常に人気のある作家のようで、書店でもSFの棚ではなく普通のベストセラーのところに平積みしてある、という感じ。最新作は初めてSF的要素を一切排除した社会派サスペンスということ。


Der Nobelpreis

Der Nobelpreis


ノーベル賞選考委員の一人に「ある候補者を受賞させねばお前の娘を殺す」と脅迫が…という内容らしいです。最近ノーベル賞も内輪のゴタゴタが漏れ聞こえてきたりするからタイムリーと言えるかも。